EE JUMP

EE JUMP：10代のダンスボーカルユニット、栄光と挫折の物語

2000年から2002年にかけて活動したEE JUMPは、10代の男女からなるダンスボーカルユニットとして注目を集めました。結成当初は3名でしたが、初期メンバーの脱退を経て、ソニンとユウキの2名体制で活動することになります。所属事務所はアップフロントグループ傘下のハーモニープロモーション、プロデューサーはつんく♂、レコード会社はトイズファクトリーでした。ユニット名はプロデューサーであるつんく♂が考案し、「いいじゃん」を英語表記にしたものです。

結成からデビューまで

2000年頃、ハーモニープロモーションの社長、和田薫によって結成されたEE JUMP。ソニン、ユウキ、KENの3名でスタートしましたが、デビュー前にKENがサッカーを志して脱退、ソニンとユウキの2名でデビューを果たします。デビュー前から和田社長による厳しいトレーニングが課せられ、表参道駅と神宮球場間の往復ランニングや禅寺での修行など、並々ならぬ努力を重ねました。

デビューシングル「LOVE IS ENERGY!」のPV制作には3億円もの費用が投じられるなど、デビュー前から破格の待遇を受けました。和田社長はEE JUMPを売ることに並々ならぬ情熱を注いでおり、メンバーはデビュー後も厳しい指導を受けていたといいます。

ヒット曲「おっととっと夏だぜ！」とユウキの失踪

3rdシングル「おっととっと夏だぜ！」がヒットし、人気に火がついた矢先、2001年8月中旬、ユウキがCDショップのキャンペーンイベント中に失踪するという事件が発生します。仙台でのイベント前泊中に、マネージャーとトラブルを起こし、知人の車に乗って逃亡。その後、宇都宮の健康ランドや京都の温泉などに滞在していたことが、復帰後のインタビューで明かされました。

ユウキの失踪により、ソニンは単独でイベントやテレビ出演をこなすことになります。「イキナリズム!」のプロモーションでは、ユウキのパートは事前に録音された音源を使用し、ソニンが歌い出しを担当するなど、苦肉の策で乗り切りました。この騒動を機に、ソニンはソロ名義で「WINTER-寒い季節の物語-」を発表、ソロ活動も開始します。

ユウキの復帰と解散

ユウキはその後復帰し、6thシングル「青春のSUNRISE」を発表、活動を再開します。しかし、2002年4月上旬、ユウキがジャニーズJr.のタレントとキャバクラにいるところをフライデー誌に掲載されたことがきっかけで、EE JUMPは事実上解散しました。ユウキは脱退、ソニンはソロ活動に専念することになります。すでにレコーディングが完了していたアルバム「EE JUMP COLLECTION 1」は発売中止となり、一部楽曲は雑誌付録CDでのみ聴くことができました。

解散後のメンバー

解散後、ソニンはソロアーティストとして、女優やタレントとしても活躍します。一方、芸能界から身を引いたユウキはその後、窃盗事件を起こし、服役することになります。EE JUMPは短期間ながらも華々しく、そして波乱に満ちた活動を終えました。ソニンは現在も芸能活動を続け、一方ユウキは一般人として生活を送っています。 EE JUMPの短いながらも印象深い活動は、日本の音楽史に一つのエピソードとして刻まれています。彼らの楽曲は、その時代背景やメンバーの心情を反映した、貴重な記録と言えるでしょう。

作品

シングル

LOVE IS ENERGY!
Hello!新しい私
おっととっと夏だぜ!
イキナリズム!
WINTER～寒い季節の物語～
青春のSUNRISE

アルバム

EE JUMP COLLECTION 1 (未発売)

DVD

ソニンコレクション/ソニン

出演番組

EE JUMPのラジオでいいじゃん (ニッポン放送)

参考文献

姫野かげまる「ソニン物語」(2003年10月 メディアファクトリー)
* 後藤祐樹「懺悔」(2013年4月 ミリオン出版)

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